糖尿病とは

糖尿病はインスリン不足により引き起こされ、体のエネルギーの流れが崩れる病気です。

私たちの胃の後ろにある膵臓には、ランゲルハンス氏島という臓器があり、そこでB細胞と言う細胞がインスリンと言う血液中の糖質をエネルギーに変える大切な物質を製造していますが、その細胞が破壊され、インスリン分泌が欠乏することから体のエネルギーの流れが崩れます。

みなさんが食事をして体の中に取り込まれた、糖を中心とするエネルギー源が、血管の中までは取り込まれるのですが、みなさんの体を構成する60兆個の細胞までは、インスリンの働きが低下するために届かなくなります。血管の中に集まった糖は濃縮され、高血糖状態を起こします。

高血糖状態は喉の渇きを引き起こし、さらに腎臓は血管の中の糖を尿として体の外に排出します。これが尿糖です。

血管の中で濃縮された糖はさらに血管に障害を与えます。これが糖尿病の合併症につながります。

合併症には糖尿病になって5-10年で出現する神経の障害(糖尿病神経障害)、目の障害(網膜症)、10-15年で出現する腎臓の障害(糖尿病性腎症)があります。 また高血圧、高脂質血症を伴うこともあり、血管が硬く細くなり(動脈硬化)心筋梗塞、脳梗塞、壊疽なども突然合併症として出現してきます。

糖尿病はどうしておきるの

糖尿病には大きく2つのタイプがあります、それぞれ原因がことなります。

1型糖尿病

子供の時期に発症する糖尿病です。 ウイルス感染のあとに自己免疫異常により起こるとされています、重症になりやすく、治療としてはインスリンが絶対に必要になります。

2型糖尿病

大人の時期に発症する糖尿病は、遺伝もありますが、食物を摂取する際に起こるインスリン分泌異常の人などが、生活習慣の変化、過飲食・運動不足により、太り、さらにストレスなども加わり発症するケースがほとんどです。

糖尿病による症状は?

糖尿病の初期においては、検診などで尿に糖がでている、血糖値がやや高いと指摘はされることがあっても、そのころはまだ無症状、あっても喉が渇く、だるい程度の方がほとんどです。 この状態を数年放置すると合併症による症状が出現してきます。

糖尿病性神経障害足がしびれたり、足の裏に異常な感覚が出現します。ひどくなると痛みで眠れない状態にもなります。内臓の動きを調節する、自律神経の障害が出現すると、立ちくらみ、下痢、便秘、男の人ではED(インポテンツ)が出現します。
糖尿病性網膜症/白内障重症化すると失明につながります。早期に発見し加療することで失明への進行を阻止する必要があります
糖尿病性腎症初期に症状はありません、尿検査で蛋白尿があるときは糖尿病性腎症の初期の可能性があります。早期に加療しないと尿がでなくなり体がむくみ、腎不全の状態になります。肺に水がたまり呼吸困難となります。血液透析療法をしないと生きていけなくなります。

糖尿病の治療は?

糖尿病の治療方法は、患者さんの状態によって多様です。基本的には食事、運動ですがこれが毎日のことですので、必ずしも皆さんが100%できるわけではありません。

血糖値を安全な状態に下げることが、怖い合併症を出さないために必要です。そのためのお薬は患者さんの病状にあわせて、生活習慣、年齢を加味して決めていかなくてはなりません。また飲み薬で対応できなければ、インスリン注射での治療も必要となります。血糖値の高い状態が長く続くと怖い合併症が出現してきます。

合併症をおこさないために、血糖だけでなく、血圧、高脂血症の治療もあわせて行う必要もあります。